デニス・ジョーンズの「ヴァチカンへの密使」 [読書]
正直、このデニス・ジョーンズという作家さん、知りませんでした。義弟から随分前にもらった文庫。自粛期間中、本棚を整理していて出てきた本。知る人ぞ知る作家さんなのでしょうが、勉強不足でした。
さて、舞台は第二次世界大戦前夜のヨーロッパ。ユダヤ人を忌避する社会情勢がヨーロッパ各国で高まりつつある中で、ナチスドイツの命によりユダヤ人になりすまし、ヴァチカンに向かったドイツ人のお話。
ダブル主演ともいうべき作品で、もう一人の主人公はモサドの前身である組織で世界各国から追われたユダヤ人をパレスチナに送り込む活動を担っているユダヤ人。
なりすましユダヤ人に課せられた命令は何か?それを見破り阻止できるのか?ネタバレになるのでこれ以上は書けませんが、最後の数十ページは目が離せない展開となります(若干、いらないだろう、というアクションがありますが・・・)。
小説の中身としてはまあまあ(あくまでも個人の感想ですw)ですが、何よりもヨーロッパから中東におけるユダヤ人の立ち位置とそれを取り巻く当時の政治、軍事の情勢がよくわかって面白かった。勉強になりました。
なお、物語の中でアメリカ人女性が“活躍”する部分があるのですが・・・いまいちはまっていなかったような印象があります・・・あくまで個人の感想ですがww
さいとうたかおの「太平記」〈上〉〈中〉〈下〉 [読書]
ほぼ1か月ぶりの更新です。書店も図書館もコロナ禍で満足に利用できず、家にあった古い本を読みなおしたりなんかしてましたが、どーもいけません。集中して読めない。
どうしてだろう?とつらつら思うに、日々の読書タイムであるはずの通勤という行為がなくなったことが大きいと気が付きました。
テレワークになって電車に乗る機会も減り、通勤という「儀式」がなくなったせいでメリハリがつかず、家ではだらだらしてしまう始末。
こうした時間、生活に慣れなければならないし、巷間いわれるように、コロナ禍が新しい社会、世の中をつくるきっかけになるとしたら、テレワークそのものがずーっと続くかもしれない。
これはなんとかしなければならないと思って読んだのが「太平記」です。ご存知の方も多いと思いますが、各時代の古典を名だたる漫画家が書き起こしたシリーズの中でも読んでみたいと思った作品です。
ゴルゴばりの登場人物がたくさん出てきて、少々疲れます?が、戦いに明け暮れたほぼ60年間を端的、かつ分かりやすく描いている。文庫版なので注釈の文字、ポイントが小さいのが難でしたが、読書生活?復活のためのリハビリとしては手ごろでした。
アマゾンで購入したのですが、一時的に在庫切れ、というメッセージがしばらく出て、手に入れるのに少し時間がかかりました。人気があるのでしょうか?
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