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東野圭吾の「パラドックス13」 [読書]

パラドックス13 (講談社文庫)

パラドックス13 (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/05/15
  • メディア: 文庫
随分前に単行本で一度読んだ本、再読です。
設定としてはハリウッド並みの壮大なもの=宇宙の変調?に巻き込まれた登場人物たちは極めて日本人的であり(事実日本人しか登場しない)、物語そのものに派手さは感じられない内容となっています。
かなり前に発刊され、人気作家である東野先生の作品だけに読んだ方は多いと思いますが、あえてネタバレ的なコメントは避けたいかな。スケールの大きさの割には地味な展開であり、結果として登場人物たちが解決に導くわけでもなく、人知の及ばない現象に身をゆだねることになって物語は終わります。
これがハリウッドだったらそうはいかない。彼らはなんとかしますから・・・・
とはいえ、話としては一個人がなんとかできるものではなく(いかなるスーパーヒーローでもこれは無理でしょう)その世界に身をゆだねるしか方法はないわけですが、そうした状況の中でいかに生きるか!ということなのでしょう。何か今の新型コロナウイルス感染の状況に似ていなくもない。
彼らの最後はだれも見ていない(見られない)わけですが、見られなくても人として思うところを貫く、というのは美しいような気もします。
私としえば後半、最後の部分で慌てふためくキャラになってしまいそうで・・・精進します!

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五十嵐貴久の「コヨーテの翼」 [読書]

コヨーテの翼

コヨーテの翼

  • 作者: 五十嵐 貴久
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2018/12/19
  • メディア: 単行本
東京オリンピックが予定通り開催されるという前提で書かれた本です。当たり前です。だれも延期するなんてこと想像すらしていなかったでしょう。
コヨーテは正体不明の暗殺者、ヒットマンです。某国の宗教組織(いずれも架空)の依頼を受け、オリンピック開会式に臨む日本国首相アナンの殺害を請け負います。本書はそれを阻止しようとする警察官との攻防を描いた作品です。
日本国自体がテロリストたちのターゲットになったのではなく、オリンピックという世界最大の祭典で運営側のトップである首相を殺害することで組織の力を全世界に誇示することが目的。いかにもありそうな話であり、実際にそうのような危険なことを考えている連中もいるかもしれない・・・予定通りであればこうしたストーリーも迫力を帯びてくるのですが、現実世界はテロリストよりも怖い目に見えない敵に屈してしまったという結末を迎えてしまいました。
現実味を帯びた展開はリアルであり、手に汗握るストーリーだったのですが、いかんせん私が読むのが遅かった。残念です。ラストで・・・!?

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