島田雅彦の「虚人の星」 [読書]
本書の意味するところはラストの数ページに反映されていると思いつつ、現実の政治や国際関係と本書に書かれた虚構、仮の世界とのギャップを感じつつ(ほぼ≒ですけど)、面白おかしく読ませていただきました。
複数の人格が共存する人こそが”虚人”なのでしょうが、直面する問題を解決するための対抗人格がどのような選択と言動、行動を起こすかという点で、実は世の中、虚しい人によって動かされているという感じもしてきました。
近未来でもあり、ちょっと前の時代でもあり、今の現実そのものであるかもしれず、ある種の緊張感ただよう世界観に満足いたしました。