伊東潤の「敗者烈伝」 [読書]
日本の歴史、古代から幕末・明治まで、いわゆる敗者とされた人々の“烈伝”、評伝である。
蘇我入鹿から桐野利秋まで、それぞれの時代の勝者と対抗の立場にあった人=敗者の物語。少し間違えば勝者になったかもしれない人たち。歴史に「もしも」はないといわれるが、ちょっとしたきっかけや流れで勝者になれたかもしれない人々。
もっとも伊東先生に言わせれば、この敗者たちは負けるべくして負けた、敗者になったということらしい。実に厳しいご指摘、ごもっともと納得させられました・・・
歴史は勝者によってつくられる、ともいわれるが、これらの勝者によって今の日本が形づくられたともいえるわけで、負けるべくして負けた人たちが勝者になった場合、日本はどうなっていたのだろう?と思ったりもする。
敗者があってこその歴史。この視点、いろんな意味で大事にしたい。