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呉座勇一の「陰謀の日本中世史」 [読書]
前回の投稿から1か月以上空いてしまいました。もう7月ですよ。新型コロナウイルスの感染拡大によるイレギュラーな日常により、仕事はもとより普段の生活もペースが完全にくるってしまいました。私にとっては月に2-3冊の読書タイムがとれなくなってしまい、必然的にブログからも遠ざかってしまったという感じです。
そんなイレギュラーな状況下でなんとか読んだのが本書です。
保元・平治の乱、源義経の悲劇、鎌倉将軍・幕府内の権力闘争、南北朝・観応の擾乱、織豊から徳川政権移行時に至る一連の歴史的出来事にまつわる陰謀論を作者が淡々と冷静に否定していく・・・呉座先生の冷徹かつ鋭いつっこみは、なるほどっと納得させられる反面、長年、小説やドラマ、映画などに親しんできたものには少々残念な結論に導かれる結果となっています。
逆にいえば陰謀ありきの歴史が圧倒的に面白く、ビジネスの社会でも、ある種のストーリーが教訓だったりする訳です。
まっ、歴史の教訓を現在に活かすという観点からすると、陰謀論のような出来事の背景を盛った話は極力排除したほうが良いのかもしれません。恣意的、意図的に解釈されないためにも。
作者の「 応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱 (中公新書) 」よりも圧倒に読みやすい。歴史好きの人には記憶を整理しつつご自分の歴史観を新たに持つうえで良書だと思います。
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