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門井慶喜の「家康、江戸を建てる」 [読書]

家康、江戸を建てる

家康、江戸を建てる

  • 作者: 門井慶喜
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2016/02/09
  • メディア: 単行本
なぜか最近“江戸”がブーム?NHKスペシャルの「大江戸シリーズ」や同局の「歴史秘話ヒストリア」などで江戸開府にまつわる番組が相次いで公開されています。
オリンピック前の再開発による新たな発掘や新資料の発見、明治維新(戊辰戦争)150年という節目の年に当たるということもあるのでしょうか?18世紀には人口100万人を数え、当時としては世界最大の規模に発展したという江戸。漠然と明治維新前の封建時代の江戸が全て否定される風潮がずーっと続いてきただけに(誰のせいだ?)こうした見直しの動きは個人的には非常にありがたいというか、大歓迎である。
本書は1590年の豊臣秀吉による小田原征伐後の仕置きによって関東移封を命じられた家康が、太田道灌築城といわれる江戸城を新たな拠点とし、街づくりを始める様子が描かれています。利根川の流れを変えた伊奈一族、小判=新貨幣鋳造に携わった橋本(後藤)庄三郎、上水道の整備を進めた大久保藤五郎と七井の百姓、そして春日与右衛門、石きりと石積みに命を懸けた五平と喜三太、江戸城天守閣の建設を巡る秀忠と家康の企図・・・江戸が実質的な首都としての機能を備えていくはじめの一歩が描かれています。
合理的かつ科学的で今の発想にも通じる考え方。何かを成し遂げようとする者が醸し出す迫力、情熱というものが素直に読み取れる内容。そうか!こうだったのか!という小さな感動の連続で面白かった。来年の正月時代劇で映像化されるようです。楽しみです。

nice!(15)  コメント(2) 
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コメント 2

たかおじー

こんにちは、本作が映像化されるんですか。
楽しみですね。どの話が採用されるんでしょうね?
by たかおじー (2018-07-04 22:05) 

Ganchan

> たかおじーさん
上水道の大久保藤五郎(演じるのは佐々木蔵之介)の話と小判の橋本庄三郎(柄本佑)の2本。2019年1月2日と3日に放送されるようです(いずれも総合9時から)。ちなみに家康は市村正親さんが演じるようです。
by Ganchan (2018-07-05 16:50) 

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