月村了衛の「機龍警察」(完全版) [読書]
この近未来的な小説の最大のテーマは、この小説が描かれている背景そのものにあるのではないかと思っています。世界中でなくならない戦争やテロ事件、日本国内の暗い世相・・・そもそも機龍警察そのものの存在がヤバイ状況になっているということでしょう。
警察小説として要素とSF的エンタテイメントの要素が入り混じりながらも、ある種のリアルさを伴うという点で秀逸な作品といえるのかもしれませんが、小説の中のイメージ全体が暗いトーンであることに、救われない気がしないでもないのです。
こんなメカが警察に配備されるような状況だけは避けたいものです。
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