岩井三四二の「三成の不思議なる条々」 [読書]
天下分け目の合戦、関ヶ原から30年、豊臣家が滅亡した大坂の陣から15年・・・①そもそも石田三成という人はいかなる人物だったのか?②関ヶ原の合戦は東軍(徳川家康)、西軍(石田三成)どちらに道理があったのか?③たかだか20万石程度の身代しかない石田三成が毛利や宇喜多などの大大名を差し置いてなぜ西軍の総大将的役割を担ったのか?・・・以上3点が本書のテーマです。
物語は全編インタビュー形式、聞き取りの形となっており、関ヶ原当時の東軍、西軍に関わった人たちに、先に挙げた3点について「忌憚なく語っていただいた」という体裁となっています。
浅田次郎さんの「壬生義士伝 上・下巻セット (文春文庫)」もこうしたスタイルだったと思いますが、物語後半になってくると、こうした三成に対する聞き取りを誰がやらせているのか?その目的は何か?という点に興味が湧いてきます。結局、なるほどね、というところに落ち着くのですが、さんざんに語り尽くされた三成という人物、または関ヶ原前後のくだりをこうした視点から表現するという本書の試みはなかなか面白かった。
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