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安部龍太郎の「冬を待つ城」 [読書]

冬を待つ城

冬を待つ城

  • 作者: 安部 龍太郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2014/10/22
  • メディア: 単行本
大河ドラマには出てこない話です。豊臣秀吉の天下統一は小田原の北条氏を倒して完了!というのが歴史の大まかな流れとなっており、北条氏滅亡後に関東以北の大名の仕置きを行ったことが知られているいる程度でありましょう。
本作は、高橋克彦先生の「天を衝く(1) (講談社文庫)」以来の九戸政実ものです(メジャー作家の作品としては、という意味で)。
われら奥州人にとっては、戦国時代にあって是非ともクローズアップしてもらいたい人物ではありますが、歴史の大きな流れの中で「その時」を作れなかったことから、埋没してしまっているということでしょうか?とは言え、九戸政実の乱といわれるこの戦争では、秀吉政権は15万(現地武将も合わせた総数)もの大軍を送り込んでいます。本州北端の一土豪?に過ぎない九戸一族の討伐になぜこんなに大仰に反応したのでしょうか?
本書では石田三成が朝鮮出兵に備え、寒冷地での戦の予行演習、それに加えて寒さに強い奥州の人々を徴用することを目的とした、とありますが、果たしてそういう理由だったのか?
九戸一党を万が一、つぶせなかった場合、歴史が動く可能性があったのか?伊達正宗や徳川家康といった関東、奥州の大大名が動くきっかけになりかねない?という恐れもあったのかもしれません。徹底して叩く!源頼朝の平泉征討軍は28万とも言われていますが、その故事に習ったのか? いずれにせよ、天下を相手に戦った武将がいたという事実はあるわけで、是非とももっとメジャーになって欲しいと願う奥州出身の読者でした。

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