垣根涼介の「迷子の王様~君たちに明日はない5」 [読書]
このシリーズも第5弾、長く続いています。日本の低成長時代を背景に生まれた作品だけに時代に合ったシリーズだったと思います・・・最後の作品を読むと、このシリーズも終了?と思わせる雰囲気ですが、企業を取り巻く環境を考えると、シリーズ初期の頃の単純に社員を解雇するといった局面で物語が展開するという場面が想像しにくくなったきたような気がします。
そういう意味で本作の“使命”も終わったのではないかともいえます。実際のところ雇用環境は以前にもまして厳しくなっていますが、働くことの意味が企業を中心に回っていくという従来の考え方が主流ではなくなってきたのは間違いないでしょう。特に若い人、中高年にとっては正にそうした問題に直面している人も多いのではないかと思います。副題にある「君たちに明日はない」は本作が終了したとしても、永遠に続くテーマではないでしょうか?仮に景気がよくなったとしても企業は以前のような雇用環境を生み出すとは思えません。
他人事ではない、本当につらい・・・ダークサイドに落ちそうです。
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