山本兼一の「修羅走る 関ヶ原」 [読書]
つくづく惜しい人を亡くしたものです。歴史小説、時代小説の新たな旗手として期待されたいた山本兼一さん。本作が遺作のようです。
本作は山本さんには珍しい武将戦記もの。もっとも一人の武将ではなく、関ヶ原に集結した主な武将の関ヶ原合戦当日の行動とその心理を描いたもの。
両軍合わせて20万人近い兵士が蠢く戦場にあって、いかに考え、行動したか・・・・まさに「歴史はその時、動いた!」といった趣です。そのリズムよい書きっぷりが戦場にいるかのごとく迫力がありました。
NHK大河ドラマの「葵ー徳川三代」の第1回放送は1時間30分の特別放送で、関ヶ原開戦から終了までを淡々と描いていましたが(NHK大河ドラマ史上、最も迫力ある合戦シーンといわれています)、本書を読んで、また、観たくなりました・・・
同じく歴史小説等を多く手掛ける安部龍太郎が追悼文を掲載していますが、まさにこうした作家たちによって新しい歴史観、戦国史観が楽しめると思っていただけに残念でなりません。他にも埋もれている原稿などないのでしょうか?
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