京極夏彦の「遠野物語remix」 [読書]
年度末の忙しさにかまけてブログの更新ができませんでした。忙しい忙しいと思っていても、実際は無駄に時を過ごしている時間というのはあるものですが、気分が開放されている状態とそうでない時は随分とパフォーマンスも違ってくるものです。幸い連休前に今年度最後の仕事をアップした関係もあり、休み中に気分は大いにリフレッシュ!ブログの更新をせねば!!という気分になりました。
本書はご存知、柳田國男さんの名著、「遠野物語」のリミックス版です。柳田國男の原作に京極さんが現代語訳+αを加え、新たな「遠野物語」を作ったというのがリミックス版の意味するところでしょう。
遠野という岩手県の山奥の話ながら、なんとも不思議な話が当たり前のように伝えられ、信じられていたことは衝撃に値にします。ここに収録されている話は明治、大正という歴史の時間軸ではついこの間のお話です。怪談奇談ではなく、民衆の間に肌感覚として残っていた話を聞くと(現代文で読むと)、なんともいえぬ感じがしてきます。
この原作が書かれた時代はそうさかのぼるほどではありません。遠野だけでなく日本全国にも同様の話があったのではないか?われわれはそうした話を聞かされず、感覚も忘れて今いるのではないか?そんな感じがします。
文章は淡々として、短いものが多いのですが、その分、余計に想像の幅は広がります。鳥肌ものの一品、いかがでしょうか?
(本当に鳥肌が立ちます)
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