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伊坂幸太郎の「死神の精度」 [読書]

死神の精度 (文春文庫)

死神の精度 (文春文庫)

  • 作者: 伊坂 幸太郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2008/02/08
  • メディア: 文庫
なんとも不気味なタイトルです。私たちの生殺与奪は死神が担っている、という設定の物語。何らかの理由で、死神にリストアップされた人について、「調査部」に所属する死神が、一週間、対象に張り付き、死神が設定した死を与えるべきか否かを調査し、予定通り死にしかるべき存在であれば「可」とし、まだ死ぬに当たらないと判断された場合は「不可」とし、生きながらえられる。
死神は人間と同様の姿かたちで接触してくる。一見するとわからないが、よく話してみると人間界の常識を知らないので、おかしい面は見えてくるが、往々にして「変わった人」で通ってしまう。多くの場合、死の対象なるべくリストアップされた人々は、調査期間による猶予があったとしても、やる気のない死神調査員はおざなりの調査しないためか、「可」とされ、さまざまな形での死を迎える。
本書では、人間界で「千葉」と名乗ることが多い死神が調査対象となった人々との調査期間内におきた出来事を綴ったもの。最後の一遍で、死ぬことを「不可」とした人たちが思わぬ形で現れることになるが、死神の時間軸と人間の時間軸との違いによりやや戸惑う部分も。
調査期間中、とるに足らない時間=日常があって、何の前触れもなく死が訪れる。本書ではそれが死神の裁量にかかっているるが、実際問題、人の死はそうした日常の先にあるものなのだと思い知らされる。正直、淡々として平板な本だったという印象だったが、意外に本当は怖い話なのかもしれない。 
 
 

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コメント 2

yam

新年明けましておめでとう御座いますm(__)m
旧年中はお忙しい中、ご訪問下さいまして
有難う御座いました。
本年も宜しくおねがいしますm(._.)m
by yam (2014-01-03 21:36) 

Ganchan

>yamさん
こちらこそよろしくお願いいたします。
by Ganchan (2014-01-06 12:46) 

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