藤沢周平の「冤罪」 [読書]
年度末で仕事が忙しくて肉体的にも精神的にも少々イライラ気味の日々を過ごしておりました。こうした状態の時に私がある種、逃げの場として楽しむのが江戸物、時代物の小説です。その筆頭格が藤沢周平先生の作品。随分読んでいるつもりなのですが、この「冤罪」は読んでなかった。決して明るい内容ではありませんが、人のキビというか、ほっとさせられるお話が多い。傑物でもヒーローでもない主人公たち(本書は短編集)の生き様に、人はこうあるべき、なんて大げさなものでなくても、なんとなく安心させられる彼らの生き様に引き込まれます。時代小説は年を取ってから読もう、という人がいますが、正解かもしれません。ある程度人生経験を踏まないと彼らの心情は理解できないかもしれません・・・・なんて私も年をとったものだとしみじみ感じている次第ですが。
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