宮部みゆきの「ソロモンの偽証 第一部 事件」 [読書]
久しぶりの更新です。これでso-netからのブログマメ度レポートの評価も下がってしまうのではないかなどと心配している今日この頃です。
さて、宮部みゆきさんの「ソロモンの偽証 第一部 偽証」です。大作です。導入の事件の部分で700ページ越えです。少々読むのに疲れたのと、登場人物の多くが様々な意思を持ち、事情を抱え、それを丁寧に記述しているもんですから、精神的にも相当参りました(夢に出てくるんですね、いろいろな描写が・・・)。
一人の中学生の自殺をきっかけとして物語は始まります。学校での自殺、というと現実には桜宮高校の事案が記憶に新しいですが、あの一連の報道を見ながら、こうした事案においては、われわれが目にし、耳にするのは新聞やテレビの報道などです。同級生や教師、校長、教育委員会、保護者、そして警察・・・さまざまな人が関わり、いろいろなことを思い、行動する・・・・報道されるのはそのほんの一部です。報道され、その事案の形づくり=みんなが納得するストーリーづくりが行われる過程の中で、表に出てこないことや無視されることが多いのではないか、むしろそれが圧倒的に多いであろうことを、本書を読みながら、改めて思いました。むろん、報道だけでなく地域の口コミや噂などもストーリーづくりの一旦です。
今の世の中、白黒判定社会といわれますが、世の中そんな単純なものでない、と思うわけで、本書は改めてそんなことを思い出させてくれました。それにしても小説とはいいながらみんな多くのものを背負っている。そういう意味で一人ひとりの人生は実にドラマチックではあります。
ところで第二部はどのような展開になるのでしょうか?楽しみです。
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