野口卓の「軍鶏侍」 [読書]
そもそもこの本を読もうと思ったのは、さまざまな書評での評判でした。これは藤沢周平作品のオマージュ云々・・・実際に読んでみると・・・3万6,000石の園瀬藩という南国にある架空の藩が舞台の物語。藤沢周平の「海坂藩」を彷彿とさせる設定は、小説の内容も藤沢作品に似ていて、藤沢ファンとしては新作を読んでいるような錯覚すら覚えるのでした。どっかの書評にも書いてありましたが、設定は似ているもののコピーかといえばそうではなく、野口作品として、主人公岩倉源太夫をはじめ、彼を取り巻く登場人物が新しい世界観をみせてくれています。特にいい味を出しているのが、下男の権助。このキャラは一気に気に入ってしまいました。藩内の政争や侍間の確執、そして剣劇・・・藤沢作品の「三屋清左衛門残日録」の雰囲気もありますが本書主人公の岩倉は40代という若さ。枯れた雰囲気ではなく、むしろこれから、といった感じ。なんか久々にいい作品に出合えたような気がしています。
ご訪問&コメントありがとうございます^^
なかなか面白そうな小説ですね...
私も時代物小説ファンですので...是非読んでみたいです(^^)
by alba0101 (2012-08-03 11:11)
>alba0101さん
ホント、お勧めです。第2巻「獺祭」も面白いですよ。
by Ganchan (2012-08-08 13:18)