池井戸潤の「空飛ぶタイヤ」（上）

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)

• 作者: 池井戸 潤
• 出版社/メーカー: 講談社
• 発売日: 2009/09/15
• メディア: 文庫

中小企業vs大企業、銀行vs中小企業、中小企業の社長と部下・・・そしてvs世間（おまけにモンスターペアレントも登場）。一人頑張る社長、理解のある先代からのベテラン社員、番頭さん、ホワイトナイトのような役回りで登場する救世主・・・「下町ロケット」と同じ構図で、ある意味、水戸黄門的な小説ではあるのだけれど、妙に引き込まれるのは結末がある程度予想されているからか。必ず正義が勝つ！という安心感も手伝って理不尽ともいえる主人公に対する罵詈雑言も読み流せる感じです。とはいえ、多少なりとも同じような経験がある私としては（背景、状況は小説とは全く違いますが）、銀行や取引先の「リアル」な科白は昔を思い出すようで結構こたえる。いざというとき世間体や常識、正義感を持ち出す人間は信用できないもんですが、ある意味、世間なんてものはそんなもの。厳しいもんです。そんなリアルな展開がベースになっているところが面白さの秘密かもしれません。文庫本上巻読了、早く下巻を読まねば、と思っています。

 

 

 

 

タグ：池井戸潤 大企業 下町ロケット 中小企業 銀行

コメント 1

ご訪問ありがとうございます。
今日も快晴、風は少しありますが春の足音が聞こえてきます。
by david (2012-03-19 11:14)