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真保裕一の「天魔ゆく空」 [読書]

天魔ゆく空

天魔ゆく空

  • 作者: 真保 裕一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/04/15
  • メディア: 単行本
応仁の乱の東軍の総帥だった細川勝元の息子、細川政元が主人公の小説です。教科書的には、応仁の乱の後、下剋上の時代、いわゆる戦国時代に突入という流れで、信長や秀吉の登場といった観があります。室町幕府の将軍がこの辺になると誰が誰だかわからなくなってしまう。歴史学の観点からみれば、応仁の乱が信長などを生み出すきっかけになったことが重要であって、その後100年近く、正確には信長登場まで70年間は混乱した時代であり、織豊時代に至る序章的な時代ということになるのでしょう。そんな歴史学からみれば地味な時代に生きた武将、政治家細川政元という人物は、実は信長に匹敵するだけの英傑、傑物だった、というお話です(作者の真保さん自身が後書でも書いていますが)。
それだけの人物であるならばなぜ細川幕府を作らかなったのか?自ら将軍とならなかったのか?という感じもします。そういえば、この細川家の諸流の子孫である細川護熙が首相になったとき、ある雑誌が、「細川家400年の宿願が実った」と書いたのを記憶してますが、この政元という人物が自らを頂点に導くだけの器量があったら、ほんの少し、戦国時代の様相も少し変わったのではないか?という気もします。登場するのが早すぎたのかもしれません。

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