五十嵐貴久の「誰でもよかった」 [読書]
- 作者: 五十嵐 貴久
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/03/18
- メディア: 単行本
五十嵐貴久お得意の篭城、交渉人ものです。
実際にあった秋葉原の通り魔連続殺人事件をモチーフにした本書。「誰でもよかった」というタイトルは実際の事件同様、犯人の心情を表したものかと思いきや、実はそうではなかった、という結末になっています。
五十嵐さんの作品で交渉人といえば遠野麻衣子シリーズがあり、今回も遠野さん登場かと期待を膨らませながら読み進めるも一切絡みなし。犯人と交渉人とのやり取りもなんか浅い感じ。事件に至った経緯や動機もあまり説明がない。これは五十嵐さんお疲れ?と思っていたら、最後の最後で「誰でもよかった」と思っていた人物が犯人以外にもいた!というお話。長編小説の形をとっていますが、この展開であれば短編でもよかったのでは?というのが正直な感想。次回作に期待!というところでしょうか。
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