佐藤雅美の「髻塚不首尾一件始末(もとどりづかふしゅびいっけんしまつ) [読書]
江戸の息づかいが感じられる作品です。落語を聴いているような錯覚を覚えてしまいました。「半次捕物控」シリーズの本作は6作目、最初の「影帳」、「揚羽の蝶」がやや重くて暗かったという印象があってなかなか手が出なかったのですが、本書は随分雰囲気が変わりました。蟋蟀(こおおろぎ)小三郎、風鈴(ふうりん)狂四郎という二人のとんでもない侍の存在も本書の面白さを引き立てています。文庫で387ページ、連作集として八話が収録されていますが、2日間の出張の移動時間に読みきってしまいました。時代小説ファンにオススメのシリーズです。
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