鳥羽亮の「剣客同心」 [読書]
古典落語がうまい噺家というのは、「聴いていて江戸の町、風景が思い浮かぶ」と立川談志が言ったそうです。む~ん、そうかもしれない。たしかに古今亭志ん朝なんかそんな感じがします。
時代小説といわれるジャンルもそんな定義が当てはまるかもしれません。その時代の雰囲気がいかに伝わってくるかで、科白もいきいきとしたものに感じるでしょうし、リアリティも出てくる。池波正太郎の剣客商売 (新潮文庫―剣客商売)や鬼平犯科帳〈1〉 (文春文庫) なんかはそういう意味で好きなシリーズですね。
ひょんなことか鳥羽さんの作品を読んで、この人の書く本にはそんな江戸の雰囲気が出ているような気がして本書を手に取りました。鳥羽さんは剣客、剣豪が基本的には好きなようなのですが、父親の敵討ち、お家騒動、悪徳商人・・・と時代劇の王道のような本書は、水戸黄門のようなパターン時代劇とは異なり、キャラクターが生きていているという感じがします。
敵役をあっさり殺害してしまうという非情さもある。そんな意外性も良かった。いい感じのお話でした。ちなみに本書の続編として「鬼隼人シリーズ」としてシリーズ化、文庫化されています。
いつも、、ありがとでし~^^vvv
by ぷりん&りく (2010-09-10 13:49)