歌野晶午の「絶望ノート」 [読書]
- 作者: 歌野 晶午
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/05
- メディア: 単行本
- 本記事をアップした際、なぜか本文が飛んでしまいました。再アップします。
苦しい時の神頼みといいます。普段は神仏に手を合わせたことも無いくせに、自分の都合で神様、仏様にすがる。まったく勝手なもんです。かつて、ジョン・レノンは、「神は人の痛みを測る概念にすぎない」といったそうです。うまいことを言うなぁ。自らの経験を振り返っても全くその通り。もっともジョン・レノンはその後、神の存在を認める発言をしていますが・・・
本書はいじめに悩んでいる中学生のお話です。「絶望ノート」とは、主人公が日々のいじめの様子を綴ったノート、日記のタイトルです。このノートが主人公の父母、同級生、教師を思わぬ行動に走らせます。そして、それは結果として主人公の思い通りの結果を招くというお話。主人公の神頼みが現実のものとなるというちょっと怖いお話でもあります。主人公の父親がジョン・レノンに心酔しているということも、物語に大きな影響を及ぼしています。
どんでん返しが得意の歌野さんの作品。ラストに爽快感がなかっただけに気分は暗いままで読了。もんもんとした気分のままで終わってしまったことでテンション下がってしまいました。
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