矢野隆の「蛇集」&万城目学の「プリンセス・トヨトミ」 [読書]
遅ればせながら新年明けましておめでとうございます。
2010年第一弾は書評からのスタートです。年末年始に読んだ本を2冊・・・
最初は矢野隆の「蛇衆」。室町末期、戦国時代初頭の傭兵集団の物語です。決まった主君を持たず、金次第で今日の敵は明日の友、という具合に戦乱の世を生き抜いた最下層の人々の物語。昔の忍者漫画を思わせる展開で大活劇本といった感じでした。登場人物はゲームキャラになりそう。少し軽かったかな?もう少しそれぞれのキャラを掘り下げてくれると良かったのにという感じです。
それにしても最近、若手作家の時代モノ、勢いがあります。そういう意味では今後の作品に期待したい作家かもしれません。
次の作品は万城目学の「プリンセス・トヨトミ」です。万城目さんといえば鹿男。現代につながる歴史の謎をファンタジーとして描く才能にびっくりという感じでしたが、本作もその系統の作品かと。大坂夏の陣で滅びたはずの豊臣一族の末裔が・・・これ以上書くとネタばれなのでやめますが、会計検査院の調査官が物語の進行役。会計検査院の人が小説に登場するなんて記憶にありませんが、この意外性がなかなか面白い。
東京から向かった調査官は松平、鳥居、そして旭。大阪には、真田、長宗我部、蜂須賀・・・どっかで聞いたような名字が・・・歴史好きの方はニヤっとする展開。なかなか面白かったです。
大阪出身の人はより一層面白く読めたんだじゃないでしょうか。
コメント 0