伊東潤の「戦国鬼譚 惨」 [読書]
惨劇の嵐である。
武田信玄亡き後、勝頼の代になってなんとかその勢力を維持してきた武田であったが、設楽原の敗戦後、急速にその勢力を弱め、滅亡へと至る武田家の人々の惨めな?お話をまとめた短編集である。
主家の求心力低下と主君を支える重鎮無き後の武田家はあっけなくつぶれていく様がなんともいえず悲しい。得てして滅亡する側のお話はこんなもんかもしれない。
本書を読むと、改めて江戸時代に生き残った300家ともいわれる大名家はすごい!と思わざるを得ない。ちょっとしたきっかけでつぶされてしまう戦国から織豊の時代、家を残すということがいかに難しかったかということがよくわかる。
リーダー及びその幹部の振る舞いや決断・・・存続に必要な要素は数あれど、奇跡に近かったのかもしれない。
・・・あまりに悲惨なお話が続くがゆえにテンションが下がってしまったのでした(小説としては面白いよ!)
2019-03-07 13:38
nice!(18)
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