誉田哲也の「硝子の太陽R-ルージュ」 [読書]
姫川玲子シリーズにして「ジウ」とのコラボシリーズで「 硝子の太陽N - ノワール」とのリンク作品。一家惨殺という事件を追うという展開ですが、その背景にあるのは戦争であり、日本を取り巻く国際情勢であり、日本の置かれた立場=具体的には日本とアメリカの関係だったりします。
登場人物であるベトナム戦争に従軍した経験のあるアメリカ人の口から、戦後日本の歩みと日本という国のポジションが語られますが、そのシンプルにして単純な状況が本書に描かれている事件のきっかけになっているかもしれません。
日本国内、沖縄を取り巻く状況に絡め左翼と目される人物の暗躍はガンテツこと勝俣の案件として結論は出てないのですが、この曖昧な結論こそが今のすっきりしない日本そのものを映しているような感じも受けました。
姫川ねえさんのキレの良さは健在。読み物としては追っかけたいシリーズの一つではあります(このシリーズの殺人描写はかなりえぐいもので読む耐えない感じですが・・・)
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