高橋克彦の「水壁 アテルイを継ぐ男」 [読書]
今年は「明治150年」なそうな。しかし、東北人にとっては「戊辰150年」である。官軍という名の軍隊に故郷を蹂躙され、戦後は「一山百文」と揶揄され、さげすまれたきた150年である・・・この西から東、そして北という国内における侵略の歴史は戊辰戦争が初めてではない。
古くは阿弖流為、母礼と坂上田村麻呂ら朝廷軍との戦い、その後の源頼朝の奥州征伐、豊臣秀吉の奥州仕置、九戸政実の乱など時代の節目、変わり目において新しい勢力が全国を制覇する際、最後の戦いの場となるのが東北(陸奥、出羽/奥州)の地である。
本書は阿弖流為たちが坂上軍に投降してから約70年後の元慶の乱の顛末を描いた作品。天日子という阿弖流為の末裔がリーダーとなって蝦夷を率いて戦う。
多くのサポーター?が主人公の下に参集し、勝利を収めていくという展開は高橋先生の奥州・蝦夷ものの定番。そういう意味で裏切らない作品。
まだまだ東北には埋もれた名もなき英雄が埋もれていると思う。高橋先生も御歳だけど戦う蝦夷、戦う東北作品がもっともはまっていると思う。無名の英雄発掘!作品化、期待してます!
コメント 0