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安部龍太郎の「義貞の旗」 [読書]


義貞の旗

義貞の旗

  • 作者: 安部 龍太郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/10/26
  • メディア: 単行本
 
 
 
 
 
南北朝時代の話といえば太平記です。主な登場人物として、後醍醐天皇、楠木正成、足利尊氏、北畠顕家などが挙げられますが、鎌倉幕府討幕の最初の頃の功労者といえば新田義貞でしょう。本書はその義貞の一代記。討幕から一度も裏切ることなく南朝側の武将として戦った新田義貞のほぼ一生分も物語となっています。
南北朝の時代は敵味方入り乱れての乱戦の時代。今日の味方は明日の敵といった感じ。あの足利尊氏、直義の兄弟ですら一時的に仲たがいしたこともあるという何とも複雑な時代でありました。
そんな中、南朝側に一身をささげ最後まで戦った新田義貞という人物はその後の武士道や皇室への尊崇の念という観点からするとなかなか立派な人だったと思うのですが、楠木正成のような武将としての華やかさや足利や高一族のような政権を奪取するという派手な動きの中にあって、地味な存在として私には認識されてきました。
あくまでも小説という前提ですが、本書に描かれた新田義貞は親分肌で魅力的人物。正直、最後まで違和感がぬぐえなかったものの、彼の討幕から彼自身の最期の至るまでの活躍は追うことができ、認識を新たにしたところです。
義貞側からみると足利兄弟もかなりの曲者。足利尊氏=真田広之というイメージの私にとってはキャスティングを変更しなければならないほどの衝撃を受けた次第です。 


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