SSブログ

京極夏彦の「ヒトでなし 金剛界の章」 [読書]

ヒトでなし 金剛界の章

ヒトでなし 金剛界の章

  • 作者: 京極 夏彦
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2015/10/22
  • メディア: 単行本
日常生活を送っている中、さまざまな問題から落ち込んだり、怒ったり、人をねたんだりすることがあります。人だもの・・・当たり前だよね、でもストレートに出すと犯罪者になってしまうし、社会から排除されてしまうかも・・・だからどこかで折り合いをつけて過ごしている。公憤、義憤といった最近のネット社会に象徴される雰囲気も、現実の社会のある部分をざっくりと切り取った形で世の中を生きていく上での基準、常識になっているような感すらあります。
本書はそうした基準や常識とは一線を画した人、人として生きることを止めた人のお話です。物語自体、正直、非常にくどいのですが、人であること止めた人=ヒトでなしになった瞬間、自分の目の前のこと、社会の見方が変わるという形になります。ヒトでなしになるがゆえに(あるいは自覚することで)周りの悩める人や、果ては殺人者まで寄ってくる・・・人として、人並みの・・・そんなことを求めて生きている私なんぞには到底たどりつかない境地ですが、自分が人としてどうなの?と考えたとき、本書の主人公が人からヒトでなしに“落ちていく”過程や考え方のプロセスはなんとなく理解できるような気がします。
今回は「金剛界の章」。ということは、本書はシリーズとして続くのでしょう。次の章はどんな展開になるのでしょうか? 

nice!(18)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 18

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。