天野純希の「南海の翼」

南海の翼 長宗我部元親正伝 (集英社文庫)

• 作者: 天野 純希
• 出版社/メーカー: 集英社
• 発売日: 2013/11/20
• メディア: 文庫

長宗我部元親の一代記です。長宗我部元親といえば歴史好き、特に歴女の皆様はよくご存知の戦国大名。超イケメンだったとか。歴女ブームの火付け役のような人ですね。

長宗我部家は時代の移り変わり、信長、秀吉、家康の政権交代時におけるタイミングの取り方が今一つだったこともあり、江戸期においては大名家として存続がかないませんでした。京、大坂の近くにいたにも関わらず惜しいことをしました。本作を読むに元親があまりにも優しかったからではないでしょうか？兄弟との確執に悩み苦しみ精神的に参ってしまった中での中央政権との駆け引き・・・四国統一という野望（厳密には統一一歩手前というところでしょうか）を成し遂げた割には勢いというものを感じられない。伊勢早雲のようなある種の狡さもない。正直でありすぎた。後を継いだ盛親にもそういうところがあるような気がしてなりません。

まあ、戦国期から江戸期にかけて大名として残った家というのは、そういう意味で評価？されるべきなのでしょう。

好人物であるがゆえに家運を傾けた？なんとも皮肉というか悲しいお話です。  

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