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米澤穂信の「王とサーカス」 [読書]

王とサーカス

王とサーカス

  • 作者: 米澤 穂信
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2015/07/29
  • メディア: 単行本
読み応えのある作品でした。途中までどんな展開があるかわからないまま物語の中に引き込まれたような気がします。
冒頭から中盤にかけてはネパールの旅行記のような風情をかもしつつ、ネパール王族殺害事件(本当にあったというから驚きです)を機にミステリーの雰囲気に。
後半は記者、ライター、ジャーナリストである主人公が「なぜ、書き、伝えるのか」という意味の問いかけであり、報道やマスコミの果たす役割、意味について投げかけ、読者にも問うているような展開になっています。
報道やマスコミという存在や行動の結果と同時に、南北問題や経済格差などの問題等、考えさせられるテーマを抱合しつつも、文章自体は決して難解ではなく、読みやすい。
タイトルの「王とサーカス」の意味、中途でその意味が明らかになる部分がありますが、それに対する主人公の答えは最後まで読まないとわからないという形。
事件と大きさと物語の流れのギャップが大きいので肩すかしをくらったような気がしますが、そのギャップに本書のテーマがあるような気もします。 

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