野口卓の「水を出る」 [読書]
ご存知?軍鶏侍シリーズです。本シリーズは藤沢周平の海坂藩シリーズを彷彿とさせるシリーズという触れ込みで、その評判にほだされて読み始めたのですが、なるほど、確かに、と妙に納得しつつ、今ではお気に入りのシリーズとなりました、が、海坂藩シリーズとの違いにふと気づいてしまいました。
海坂藩(荘内藩がモデルといわれていますが)は東北の小藩という設定。冬厳しく貧しい環境にあります。一方の軍鶏侍シリーズは園瀬藩という南国にある小藩(3万5千石)が舞台になっています。
美しくみのりあふれる里、という描写が主人公を始めとする登場人物たちの自慢になっている。なんとく明るい雰囲気が全体に流れていて、多少血なまぐさい展開になっても、結果、暖かさと明るさがそれを払拭してくれるような雰囲気があります。
シリーズは子どもたちの成長段階に移りつつありますが、今後も大きな広がりを見せそうで期待できるシリーズとなっています。
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