富樫倫太郎の「土方歳三」 [読書]
実は富樫先生には、北条早雲 - 青雲飛翔篇の続編、北条早雲 - 悪人覚醒篇の発刊を心待ちにしており、本書のような作品なんか書いてないで、早く続編を!と思っていたのですが、リンクのとおり続編は既に発刊されておりました。
早とちりというか確かめもせずに先生!ごめんなさい!
さて、いまさらながらでありますが、土方歳三です。新撰組鬼の副長・・・近藤勇よりも存在感があり、新撰組を実質仕切っていた人物として評価は固まったような感があります。そういう意味で本書は幼少期から最期までの彼の生き様をある種、淡々と描写した感があり、感動や驚き、新たな発見はなかったのですが、歳三を取り巻く人間関係、とりわけ沖田総司や伊庭八郎、榎本武揚などのやりとりは読んでいてさわやかといえるほど心地良い雰囲気が感じられました。
・・・とここまで書いてふと本書から新たな発見があったことを思い出しました。そう、なぜ函館の蝦夷政権が崩壊したか?という点です。兵力や火力、武力といった直接的なことではなく、経済的要因が大きかったということ。蝦夷、北海道に新たな国を作るというロマンを打ち砕いたのは”金”でした。
戊辰戦争に対する感情的な問題はさておき、薩長を始めとする西国有力諸藩の幕末期における経済力の差が勝敗の差になった・・・という視点は面白い。
やっぱり本は読んでみるものです。
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