川瀬七緒の「水底の棘」 [読書]
法医昆虫学捜査官シリーズを読むと、アメリカのテレビドラマシリーズ「CSI:科学捜査班 シーズン13 コンプリートDVD BOX-2」の第1作を思い出します。主人公のウィリアム・ピーターセン演じるグリッソムが蛆の成長度合いによって死亡推定時刻を割り出すという方法を詳細な?CGにより見せられた時にはかなりのインパクトを覚えたものです。アメリカのCSI、鑑識において法医昆虫学というのはかなり浸透しているのかしらん、と思ったものです。
翻って本シリーズはCSIの日本版といったところでしょうか。もっとも本当かどうかわかりませんが、日本の科学捜査における法医昆虫学という方法は参考意見にはなっても科学捜査の本流には位置づけられていないということが書かれています。もっとも法医昆虫学者であり赤堀の特異なキャラクターによって、本流であろうが亜流であろうが真相に迫るというくだりは、CSIほどではないにしろ、事実の積み上げによって事件の真相に迫るという点で日本の他のサスペンスにはないシリーズとして評価してもよいのではないかと思っています。
赤堀とともに事件を解決する刑事(こっちのが方が実質的主人公かと思われますが)岩楯はなかなか良い。シリーズとして既に数冊発刊されていますが、本書から入っても十分に楽しめるのではないでしょうか。
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