SSブログ

東野圭吾の「ナミヤ雑貨店の奇蹟」 [読書]

ナミヤ雑貨店の奇蹟

ナミヤ雑貨店の奇蹟

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/03/28
  • メディア: 単行本
人生なんてどんなきっかけで変わるかわからない。ちょっとしたアドバイスをもらったことでその後の人生が変わることだってある。自分ではどうしたら良いか判断がつかないとき、一人で悶々しないで誰かに相談することで目の前の景色が変わることもある。逆に相談者に腹が立って、結局、恥の上塗り、相談なんかするんじゃなかった、なんて思うこともある。相談された方は、結局は他人、第三者であって、噂話のネタを仕入れた、なんて他人にべらべらしゃべってしまうんじゃないか、なんて猜疑心さえ生まれる・・・人に対して素直になれない私としては、人に相談するということに逡巡を覚えます。思い返せば今までの人生のいくつかの局面で人に相談してみればよかったなぁ、ということが何度かあったような気がします。逆にいうと人に相談するということは、自分が置かれている状況や悩みについて自分自身でよく考え、整理しておくことが必要。そういう意味でいつも浅い考えで、人に相談することもない、とごまかしてきた自分の人生をうらめしくも思うわけです。
で、「ナミヤ雑貨店」ってどういう話なんだ、ということですが、読んでのお楽しみ。意外に人の悩みなんて第三者が聞くと答えはそんなに多くはない。ただ、悩める人たちにとっては真剣に回答してくれることが人生の方向を見出すきっかけになるということ・・・単なる悩み相談のエピソードを集めた短編かと思って読み始めたら、実は時間軸がずれていたり、相談者が偶然にもつながっていたりと奥深い作品になっています。若干、軽めの作品かなと思っていたら入り込むと実は感動を呼ぶ話だったりなんかする。特に最終章は心に沁みました。良い本だと思います。 
 

nice!(16)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 16

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。