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堂場瞬一の「消失者 アナザーフェイス4」 [読書]

消失者 アナザーフェイス4 (文春文庫)

消失者 アナザーフェイス4 (文春文庫)

  • 作者: 堂場 瞬一
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/11/09
  • メディア: 文庫
 
最近、在京民放TV局のゴールデンタイムの視聴率競争でテレビ朝日が好調だそうです。「相棒」を始めとする高視聴率を稼ぐ番組が多いことがその背景にはあるようですが、中でもいわゆる事件物のドラマが好調だとか。かつて事件物といえば、テレビ朝日の土曜ワイド劇場や日本テレビの火曜サスペンス劇場がその代表格でしたが、ドラマの構成が定型化してマンネリを招きいつしか視聴者は離れていきました。ところが最近は原作のある骨太の作品を映像化する傾向が強くなってきました。事件物でいえば東野圭吾や宮部みゆき、誉田哲也、横山秀夫、今野敏など、推理小説や警察小説を得意とする作家の作品が映像化されるようになってきました。原作の面白さをどれだけ映像に反映できるかは、脚本家や監督など映像作家さんたちの腕の見せどころですが、残念な作品になったものもあります。逆に脚本や演出、役者によって原作になかった魅力を新たに表現しているものもある。いずれにせよ、しっかりとした原作がある作品は2時間ドラマのような予定調和の作品とは異なり、それなりに面白く、テレビ朝日に限らず高視聴率につながっているのではないかというのが私の分析?です。
さて、前置きが長くなってしまいましたが、本書は堂場先生のアナザーフェイスシリーズの第4弾です。堂場先生の作品は暗いトーンのものが多く、やや深刻な気分で読まなければならないという印象が強いのですが、本書に限っていえば、小学校5年生の男の子を育てているイクメン刑事が主人公の等身大の事件物です。殺伐とした雰囲気の事件物が多い中、天才、秀才でもなく、昔ながらの刑事根性丸出しでもなく、熱血刑事でもない、子育てと仕事の両立に悩みながら奮闘する刑事の物語。彼の周辺キャラも良い。まさに今風の刑事モノですが、面白かった、という読後感が得られるシリーズです。 
 
 

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