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岩井三四二の「江戸へ吹く風」 [読書]

江戸へ吹く風

江戸へ吹く風

  • 作者: 岩井 三四二
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/05/10
  • メディア: 単行本
あの南総里見八犬伝のモデルとなった戦国大名里見家の戦国末期から江戸初期にかけての歴史を里見百人衆といわれた半商半士の金丸家の目線からみた物語です。ご存知の方も多いと思いますが、里見家は戦国大名として小田原の北条氏と関東で覇を競い、関ヶ原では東軍に味方し、大坂の陣の頃、2代将軍徳川秀忠の時代まで安房12万石の近世大名として存続しました。後に幕閣である舅、大久保忠隣失脚に連座して改易されてしまいましたが、本書はちょうどその辺りを描いています。時代の変化を感じつつ、日常を必死に生きた当時の人たちの息吹を感じられる作品に仕上がっています。よく周辺から「先祖は武士だった」という話を聞くことがありますが、そういう人は日本全国にたくさんいるのでしょうね。武士として生きるか、農業や商業を生業とするか?時代の節目での選択・・・本書は主家が改易されるという非常事態において生きるための選択をするまでの経緯がさりげなく書かれています。岩井さんの作品の多くはタイムスクープハンターのようなもの。私の当時の先祖はどうだったのか?どんな選択をしたのか気になります。
 

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