誉田哲也の「あなたが愛した記憶」 [読書]
描写がきつい作品です。こんな犯罪者は絶対に許せない!というシーンから始まる本書、警察小説の旗手である誉田さんの作品として、今回は残忍ともいえる犯人をどのように追いつめていくのか、非常に興味があったのですが、途中から「妖(あやかし)の華 (文春文庫)」のような展開に。ホラー、またはSFサスペンスのようなジャンルに属する小説であったことが判明しました。なぜ、どうして?、早く先を読みたい、という意味で面白かったのですが、本当にラストはこれでいいの?と思ってしまいました。主人公が非常に良い人で、ハッピーエンドに終わったことは心情的にはありがたかったのですが、物語の展開からとても娑婆に出てこれるとは思えないわけです。まあ、それこそ小説なので、こういう終わり方もあり、かつシリーズ化も期待できるわけですが、どうも拍子抜けの感があります。もっともホラーでもSFでもサスペンスでもない、これは恋愛小説、という人もいるかもしれない。仮にそうだとしてもエンタテイメントとしては及第点、恋愛小説としてはやや物足りないものであったという感じでしょうか。
ご無沙汰しています
今年も宜しくお願いします
by ハイマン (2013-01-13 14:57)
>ハイマンさま
こちらこそよろしくお願いいたします。
by Ganchan (2013-01-16 17:50)