島田荘司の「進々堂世界一周 追憶のカシュガル」 [読書]
島田さんの新刊です。進々堂とは京都にある喫茶店。京大受験を目指すサトルが、世界を放浪していた若き日の御手洗の体験談を聞く場所がその喫茶店という設定。よって世界一周ということなのですが、本書ではイギリスと日本、アメリカ、ウイグルの3箇所が舞台になっています。
本格派ミステリの巨匠、島田荘司の作品であり、あの御手洗が登場するとあって、どんな事件かなと思って読み始めたのですが、殺人はおろか事件も描かれていません。御手洗の放浪先で出会い、話した人物のエピソードが語られています。人に歴史あり、人生そのものがミステリということでしょうか。市井の人が主人であり、話自体は地味なのですが、結構、ドラマチックであったりする。
なんかしみじみ?してしまった読後感でありました。
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