高嶋哲夫の「乱神」 [読書]
日本は「神風の国」という発想は、鎌倉時代の2度に渡る元寇から生まれたもの、というのは周知の通りです。2度とも実際の合戦では日本軍はほとんど歯が立たなかったにもかかわらず、おそらくは台風による嵐で元軍が壊滅。ほんとラッキーでした、という歴史から、日本の国難の際には神風が吹く、という話が生まれました。
最近の歴史の授業ではどう教えているのかわかりませんが、一度目はともかく、二度目の侵攻の際、台風の季節を避けるとか何らかの対応策をとってもおかしくなかったのにもかかわらず、同じ過ちを繰り返したのはなんとなく納得のいかない話だと昔から思ってました。いくら鎌倉時代の話とはいえ、中国やヨーロッパでは後の大航海時代には及ばないものの、船による移動も盛んだったはずで台風の季節くらいある程度、読めたのではないかと思うわけです。
本書はそんな疑問に答えを出したもの。話としては面白い。またあってもおかしくない、と思ってしまう話。天候もさることながら、ある人物のおかげで日本は助かったというお話です。十字軍が日本を助けた???ハリウッドあたりがこの原作を読んだら映画化するかもしれません。配役はやっぱりトム・クルーズかしら?日本は安達盛宗役として渡辺謙?どっかの映画と一緒だな。好きか嫌いかといえば好きな話ですが、高嶋さんの書き方、ホント、ハリウッドの台本みたいでした。
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