宮部みゆきの「あんじゅうー三島屋変調百物語事続」 [読書]
三島屋のおちかシリーズ、「おそろし」に続く第2弾です。ストーリーは他の書評で確認していただくとして、主人公のおちかがいいですね。こういう怪奇談のシリーズとしては霊験お初などのキャラもありますが、いわゆるお嬢然としているわけでもなく、ごくごく普通の娘っこの雰囲気をかもし出しつつ困難に立ち向かっていく様は、ある種、ワンパターンのような気もしますが読んでいて心地よいのです。周りの大人や子供たちとの掛け合いも良い。まあ平たくいえば「おちかちゃん、頑張って!」と声をかけたくなる気持ちになるわけです。一連の作品の魅力もそんなところにあるのでしょう。そういう意味では宮部作品の王道といっても良い作品だと思います。
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