堂場瞬一の「アナザーフェイス」 [読書]
堂場さんといえば、鳴沢了、高城賢吾など、どちらかといえばストイックな刑事を主人公としたシリーズが多いのですが、本書に登場する大友鉄という刑事は、そうした刑事たちとは一線を画すキャラクターとなっています。
小学校2年生の男の子の父親。かつては警視庁本庁の一課の刑事としてバリバリ働いていたのですが、奥さんが亡くなってからは刑事部総務課(各課の調整係)に移り、定時で帰るという道を選択、捜査の一線から離れていました。そんな日常に充実感を覚えながらもふと物足りなさを感じてしまう日々を送っていたところ、誘拐事件の捜査に加わるよう命令され、再び緊張の一線に復帰する・・・という展開。子育てと仕事との両立というテーマを主題としつつ(とはいっても後半になるとそれも薄れてきまますが)、被害者や容疑者に真摯に優しく接しようとする主人公は新しいシリーズ誕生の予感です。途中で登場した女医や女性記者は結局とうなったのかという突っ込みどころはありますが・・・第2弾も発刊されたようですが(なんせハンサム(いまどきイケメンだろう)で聞き込みの際には芸能プロダクションからスカウトされるというキャラ。なんか映像化を前提としているのかなあと思いつつ、面白く読めた1作です。
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