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市民感覚という雰囲気の怖さ [日記・雑感]

最近、「市民感覚」という言葉をよく聞きます。主にテレビメディアから発せられることが多いように思いますが、このなんとなく「正義」っぽい響き、なんか危険な感じがしてなりません。何か事が起こるとテレビは「街の人の声」と称して街頭アンケートなんかをやっていますが、せいぜい100人程度で「世論」といえるのでしょうか?たとえばフジテレビの「めざしましテレビ」なんかは、100人アンケートの結果を%表示している。アンケート対象者が増えれば増えるほどその比率は変ってくるはず。ちなみに60%なんていう数字は100人じゃ極めて怪しい、多いとはいえない数字です。せめて「%」ではなくて「人」とすべきでしょう。
これを「街の人の声」なんてだすのは極端な言い方をすると世論誘導です。Aという事柄とBという事柄があって、どちらが正しいと思いますか?と聞いて、結果、数の上でAが多かった場合、それを是とし、キャスターなんかがそれに乗ってコメントする。まぁ、「めざましテレビ」で言えば、大塚さんはジャーナリストでもなければ評論家でもない(他局の同種の番組、キャスターもそうですが・・・)ですからあまり多くを期待はしてませんが。
「めざまし」に限らず、「街の人の声」=「市民感覚」的な言い回しで錦の御旗的報道?をするのは、どうーかと思います。なんか反対意見を封殺しているような感じ、正義感やこっちが正しい的な白黒しかつけない雰囲気を垂れ流すことにすごく違和感を覚えます。多様な意見があってしかるべきでいろんな反応がある。せめて画像では両論をきちっとみせることが必要でしょう。
日本が戦前、戦争に突っ走ったのは、「市民感覚」的雰囲気であったことを忘れてはいけません。最近はテレビだけでなく政治家もそんな雰囲気に載っているような気がして、世も末という感じです。

筑紫哲也さんがキャスターをやっていたかつての「NEWS23」に、「異論反論Objection!」というコーナーがありました。あれは両論併記でいろんな意見をそのまま放送していた。無論、編集されているわけですから、編集した人間の考えが影響されているという前提でみなければならない。そうした発言の上で筑紫さんが評論する。こんなのが正真正銘の「街の人の声」だと思うのです。数が多いからこっち!的なことではない。

・・・なんてね。


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