岡井崇の「ノーフォールト」 [読書]
著者の岡井さんは昭和大学医学部産婦人科学講座の主任教授だそうです。小説の執筆はいわば趣味の領域あったものが出版にこぎつけたというのが本書「ノーフォルト」です。日テレで放送されている「ギネ-産婦人科の女たち」の原作といえばわかりやすいかもしれません(http://www.ntv.co.jp/gyne/)。過酷な産婦人科医が働く現場、医療裁判、大学の医局制度・・・盛り込まれている内容は、「白い巨塔」に代表される医療小説とさほど変わらないような気がしますが、現役の大学教授、医師が書いたということで臨場感のあるものとなっています。
小説としては正直難解な本、という感じ。専門用語が多く、治療場面や手術の手順等が詳細に記述されているのですが、素人にはその場面すら想像できない。現役の医学生や医師には参考になるかもしれませんが。逆に登場人物の記述については淡白な感じ。このギャップは本書全体ではいいバランスになって結局最後まで読ませてしまうということになったのは?
テレビ版は原作とは違ってその辺はわかりやすく、主人公の女医のキャラを際立たせてストーリーを展開しています。ややとんがりすぎのところが玉に瑕といった感じですが・・・
タグ:ギネ-産婦人科の女たち 医療小説
2009-11-28 10:55
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