A JAMES BOND NOVEL 007 「猿の手を持つ悪魔」 [読書]
「ボンドです。ジェームズ・ボンド」
あの007の新作です。とはいっても007シリーズの原作者であるイアン・フレミングはすでにこの世の人ではなく、セバスチャン・フォークスというイギリスの文芸作家が、イアン・フレミング生誕百年を記念して、フレミング財団からの依頼を受けて書き下ろした作品です。
舞台は1967年、「007 黄金の銃をもつ男」の後という設定。そろそろ体力も気力も萎えかけていたボンドが引退を考えはじめた頃のお話ということになっています。そこに「猿の手を持つ」ゴルナーという謎の人物が登場、イギリスを滅亡させるという計画に再びボンドが立ち向かうというストーリーです。
映画シリーズでは「黄金の銃をもつ男」のボンドはロジャー・ムーアに代わっていますが、本書はショーン・コネリーの雰囲気。映画ではQの提供する最新兵器は時代に合わせてデジタル化していきますが、本書はアナログが似合う感じ。舞台はまさに冷戦真っ只の中で古典的スパイ小説の模範みたいな作品といっていいでしょう。
もちろんボンドガールも登場。スカーレットとポピーという双子の姉妹です。フレミング財団公認作品だけに、押さえるところはきちんと押さえているので、パロディー作品とは異なります。
ちなみに本作は映画化の予定はないとのことです。
「ロシアから愛を込めて」は読んだ事があるなぁ。
by U3 (2009-06-08 09:19)