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浅田次郎の「一路」 [読書]

一路(上)

一路(上)

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2013/02/22
  • メディア: 単行本
    一路(下)

    一路(下)

    • 作者: 浅田 次郎
    • 出版社/メーカー: 中央公論新社
    • 発売日: 2013/02/22
    • メディア: 単行本
やぁ~面白かったなぁ 上下巻一気に読んでしまいました。話はというと、西美濃7500石を領する旗本、蒔坂左京大夫様の参勤交代のお話。陣屋のある中山道田名部から江戸までの旅程の物語。蒔坂左京大夫は交代寄合席、表向御礼衆として、1万石に満たない旗本でありながら、大名に準ずる家格を持ち、大名並に参勤交代を行うという設定。領地も殿様も架空ながら、設定は事実に基づいたもので、なかなか良い。旗本交代寄合席なんて旗本退屈男以来、聞いたためしがなく、その存在を確認できただけでも楽しい、という感じです。
さて、肝心の内容ですが、本書のタイトルにもなっている主人公の小野寺一路(いちろ)が、父の急死により、その役職である御供頭職、参考交代の手配の一切合財を仕切る役職を急遽、引き継ぐというところから始まります。何分、急死であったことから、御供頭というものがどんな役職なのか一切わからない。教えを請うにも何か他人行儀な父の同僚や国元の人たち。万事休すかと思ったその時、ご先祖様が200年以上も前に書いた参勤交代の際の手引き、心得が見つかります。藁をも掴む気持ちで一路はそのご先祖様の手引書通りに参勤交代の手配りをし、行列を整えます。
一路を気遣う市井の人々、父の死にどうやらお家騒動が関係しているらしいこと、一路に付きまとう怪しい易者や髪結い、ブチ柄の馬・・・・
本書は一路が戸惑いながらも手引書通りに行列を進めようと奮闘する様はなかなか面白い。江戸時代といっても幕末と関ヶ原から大坂の陣を経て、ようやく世が定まった時代とでは同じ参勤交代でも考え方や行列そのものの形や規模も違う。そこをあえてやってのけようとする一路とそれに巻き込まれていく周辺の人々とのやり取りが面白い。
そして本書において重要な役回りを演じるのが、御殿様、蒔坂左京大夫その人であります。バカ殿、うらなり殿と世間では評判の御殿様が実は・・・旅先で会う御殿様や姫様とのエピソードも面白い。
 
お勧めの作品です。 

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コメント 2

はせお

こんばんは。
参勤交代を舞台としているところが面白そうですね(^-^)
by はせお (2013-11-25 22:54) 

Ganchan

>はせお さん
そうですね。この作品、上下2時間ずつでテレビ化したら
面白いと思うのですが・・・
by Ganchan (2013-12-02 12:40) 

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