吉村昭の「海の祭礼」 [読書]
この本を手に取ったとき、裏表紙の紹介に「ペリー来航五年前、鎖国中の日本に憧れたアメリカ人青年ラナルド・マクドナルドはボートで単身利尻島に上陸する。・・・・」
なんか冒険小説、映画のような期待感を胸に読んでみたのですが・・・幕末日本史、外交史、歴史小説というよりは論文というか解説書のようなトーン。まあ、教科書に載っていないようなことがたくさんあって、それなりに面白かったのですが、当初の期待感とは程遠い感じでした。
もっとも、これを原作としてドラマ化したらいけそうな気がします。日本側の主人公であり、マクドナルドから英語を学び、後の日本の外交交渉のほとんどに係わることになる森山栄之助と、マクドナルドと同じアメリカの漂流民で(もっとも二人は全く面識はない)、ことごとく日本人に反抗、収容所からの脱走を繰り返したラーベマコイを三竦みといった感じで主要登場人物として設定できる。エンタテイメント化の原作としては良いかもしれません。それにしても英語を短期間で習得し、通訳として日本外交を支えた森山栄之助。たいしたもんです。すごい!と素直に思えます。こういう人がいたということを知っただけでも良かった。勉強になりました。
『海の祭礼』読みました。たしかにドラマ化したら面白そうですね。森山栄之助の最期の姿はとても印象に残っています。同書の紹介に感謝です。
by ETCマンツーマン英会話 (2012-04-16 22:07)