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岩井三四二の「理屈が通らねえ」 [読書]

江戸時代は何もかにも遅れていた時代と侮ること無かれ。数学のレベルでは世界的にも遜色のないレベルであったことが知られています。今でも全国各地の神社に「算額」=和算の問題やその解き方を書いた絵馬が奉納されていますが、これは庶民の間でも数学、和算が盛んだったことを示しています。
本書の主人公は二文字厚助という江戸の算法塾の高弟で、御家人の三男坊。算法の高弟といっても頭でっかちではなく、柔術の修行を一通りこなしています。「十字環」という算法の難題を解いたことで、将来を約束されたと思った矢先、安藤曲解という算法者が二文字とは別の解き方を示したことで、二文字のプライドは傷つけられ、将来のことも棚上げにされてしまいます。そこで二文字は奥州に向ったという安藤に対し、算法で”果し合い”を挑むべく、安藤を追って旅に出ます・・・・
決して暗い話ではありません。旅先でさまざまなトラブルに巻き込まれるといういわば諸国漫遊的なのんびりしたお話。むろんトラブルの解決に算法は大きな役割を果たしますが、立ち回りもあり、時代小説としての王道をきちんと押さえています。是非、続編を期待したい作品です。

理屈が通らねえ

理屈が通らねえ

  • 作者: 岩井 三四二
  • 出版社/メーカー: 角川学芸出版
  • 発売日: 2009/07/08
  • メディア: 単行本

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コメント 2

りぼん

@ らぶちゃんという・・・・・猫[猫]に 
貴重な・nice!~
広告にポッチ~  コメント有難う御座いました
大変励みなりましたm(_ _)m

今後も宜しくお願い致します
by りぼん (2010-03-09 13:00) 

Ganchan

>りぼん さん
こちらこそよろしくお願いいたします
by Ganchan (2010-03-10 09:52) 

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