堂場瞬一の「チーム」 [読書]
スポーツものがお得意の堂場さんの作品。箱根駅伝をモチーフにした本書は、「学連選抜チーム」のお話です。箱根駅伝に詳しくない人には馴染みがないかもしれませんが、箱根駅伝に出場できるのは前年の大会で上位10位までのシード校10校と予選会を通過した9校+1チームの計20チーム。+1が「学連選抜」で、シード校と予選会を通過して出場権を獲得した大学以外の各チームから、関東学生陸上競技連盟が選抜した選手によって構成されるチームが「学連選抜」です。
主人公の浦は、城南大学(架空)のキャプテン。前年の大会でシード権を逃し、予選会に出場したものの、結果は本戦出場ならず。失意のどん底にあった浦に「悲劇の名将」といわれ、やはり本戦出場を逃した美浜大監督の吉池が声をかけます。「これで終わりじゃない。俺と一緒に箱根に行こう!」・・・・
究極の個人競技でありながら究極のチームスポーツでもある駅伝、というのが本書のテーマ。本戦出場を果たせなかった主人公をはじめとする主な登場人物の出身校は架空の大学となっていますが(浦のライバルである広瀬だけが中央大生として登場)、学連選抜以外の本戦出場チームは全て実在の大学なので、レースの描写や順位(あくまでフィクションですが)はリアル、テレビ観戦気分で読めます。
小説自体はいたってフツーの青春ドラマ。すっきりしたい人、若いっていいなぁ~と感慨にふけりたい人、箱根駅伝が好きな人にはお勧めの本です。さっぱり、さわやかな読後感でした。
これは是非読んでみたい。
チームプレーだけど個が試される
仕事の進め方にも、すごく
共通点がありそうですね!!!
by ハイマン (2009-05-23 07:08)
ラスト10区のシーンに本書のテーマが集約されています。
by Ganchan (2009-05-24 13:16)