荻原浩の「メリーゴーランド」 [読書]
仕事というものはある種、高揚感、テンションが高くないとなかなかうまくいかないものです(私の場合特に)。うまくいっているときの仕事というのは、不思議と、多少の困難や障害も乗り切れるかも、という感じになります。忙しくて余計なことを考えられない状態の時は特にそうです(忙しさにも限度はありますが・・・)。
本書の主人公はある地方都市(架空)の公務員です。市が建設したテーマパーク「アテネ村」という今にもつぶれそうな施設の再生に取り組むお話。事なかれ主義、前例主義、地縁血縁によるしがらみ等々、地方都市、公務員ならではの障害が立ちはだかりますが、本人のやる気とテンション、家族や学生時代の仲間、一部同僚の力を得て再生に向けて奮闘する物語となっています。
公務員の世界が舞台となっていますが、民間にもよくあるシチュエーションが数多く描かれています。読んでいて主人公以上に腹の立つシーンもありました(似たような場面を経験したことがあるからですが・・・)。結構リアルです。ひとつ間違えば一気にやる気を無くしてしまいそうな場面も出てきます。もっとも全般的にトーンを抑えた感じで物語は進行しますので、腹が立ってもちゃんと最後まで読めます。登場人物のキャラがおもしろいこともありますが。公務員の人も民間の会社のサラリーマンもおもしろく読める本だと思います。2008-07-09 14:07
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