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野口卓の「大名絵師写楽」 [読書]

大名絵師写楽

大名絵師写楽

  • 作者: 野口 卓
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/09/27
  • メディア: 単行本
写楽は誰だったのか?新説である。蜂須賀重喜、阿波徳島蜂須賀家のれっきとした殿様、お大名である。ウィキペディアによれば写楽は、蜂須賀家お抱え能役者、斎藤十郎兵衛というのが有力だとか。本書は能役者を抱えていたほうが写楽だという説を展開している。
結果論として、写楽が大名(本書では隠居後)だった、というのは歴史の現象面では辻褄があうような気もする。写楽を生んだ仕掛人、蔦屋重三郎が主人公として登場するが、写楽を生み出したのが重三郎なら、世の中から消し去ったのも重三郎。彼の思惑が写楽の運命を左右し、今現在も謎の人物として歴史に残す結果となっている。まったくの小説、フィクションとはいえないストーリーで説得力がある。写楽登場の「事件」にまつわる顛末を一定の緊張感をもって読ませる作品だ。「写楽は蜂須賀のお殿様」という説、広がると面白いなぁ。

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